2011年08月16日

23 完漕(吉野川3)

水位:0.82m→0.90m(豊永)
水量:62.30t(早明浦ダム放流量),70.54t→70.55t(池田ダム流入量)
気温:32℃(池田) 天気:晴れ時々曇り 区間:歩危茶屋〜川口(x.xkm)
メンバー:M代君、AZmax [回送]ゆかりん、後輩1号、川太郎&川次郎

 午後の部は小歩危。水位は昨日とほぼ同じ0.82mでした。早明浦ダムの発電放流は夜間行われていないため、昼夜で水位変動が激しくなるのですが、今回は昼夜ほぼ一定でした。どうも山崎ダムでコントロールしているようですね。

 ところで、昨晩は夢にまで見ました。曲戸の瀬の奈落手前で佇み、どこから下ろうか思い悩むシーン。これがマンガだったら夢が啓示となってヒントがもらえたりするんですが、あまりの緊張に気分が悪くなって目が覚めてしまいました。これって単にうなされただけやんっていう。

 昨日7万円もしたというワーナーのパドルを割ってしまったM代君、今日は予備パドルで臨みます。予備パドルはジョイント式ですが連結部の金具が欠けているらしく、そのへんで拾ってきた木の枝をねじ込んでいました。(^_^;) 探検部らしい…。

 そして本日ダブルヘッダのアズマックス。小歩危は過去3本下ったことがありますが、いずれもラフトで、カヤックで下るのは今回が初めて。さらに、午前中ですでにお腹いっぱいのご様子でして、私以上に緊張しているようです。

 ゆかりんとうちの妻子はランチ後に例の妖怪屋敷に行くようです。昨晩「ゆかりん、だーいすき黒ハート」と告白した川太郎が妖怪たちを前にどれだけいいところを見せられるのか、楽しみですね。また、ラナは午前中に穴内川でめいっぱい遊んだやろし、午後の部はお休みしてもらうことにしました。

 こうしてダッキー2艇、カヤック1艇の編成にて13時半ごろに出発。
 アズマックスの下り方は私に近く、どチキンで下りたいようです。私と同じく右岸ベタ寄せで鉄橋を無難にクリア。M代君は、昨日あんな目に遭ったにもかかわらず、再び真っ向勝負を挑み、またもや敗れてました。

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 森囲いは、昨日はノースカウティングでしたが、今日はアズマックスがいるので念のため上陸して下見。ルートの説明をして、ではお手本をということでM代君が一番手で下りました。結果は、左岸に避ける際にウェーブに弾かれて撃沈。イヤーな手本を見てしまいました。アズマックスには担ぐ? と聞いてみましたが、めげずにやる気らしい。
 ほなお先にと私が二番手。鉄橋と同様、昨日よりワンテンポ早めに動くように心がけた結果、スムーズに左岸の回避ルートに入れました。
 トリはアズマックス。後ろ向きに落ちたりしてますが、ルートはきっちりと取れています。

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 森囲い後半の瀬を下ったところでM代君と合流。口を開こうとしたら、「言い訳させてください!」と封じ込められました。さっきのは、落ちる瞬間にストラップのアジャスタが割れてしまい、前につんのめったらしい。ふーん、って、ストラップ切れたらヤバいやん! また中止? と危惧しましたが、待ってる間に予備カラビナで応急処置済みで続行は可能みたい。なんや下るたびにトラブルが起こってるんでビクビクしてましたが、ほっとしました。

 二段はM代君は左岸ベタからかわし、私は右側の潰れた場所を狙って下っています。先月も含め両者唯一の無沈地帯となっていて、今回もスムーズにいけるやろと思っていたら、そうはいきませんでした。
 アズマックス、右に寄せきれずに、なんか変なとこで落ちてます。その後流れてきましたが、二段目の手前でぐるぐる回ってました。はー、あんなとこに捕まるとこあるんやー。固唾を呑んで見守る中、ダンスを終えて出てきました。おつかれさーん。諦めずによく耐えました!

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 大滝の手前に至ったところで、アズマックスが撤退宣言。もともとそのつもりだったみたいです。今のところ沈脱ゼロやし、よく漕げてるから最後まで行ったらええやんと二人で説得しますが、固辞されました。

 昨日は一発目のドロップ脇のエディで怖い思いをしました。そこで今日はノンストップでいくことにしましたが、そもそもドロップが怖いからエディに逃げていたので、気が楽になるということはありません。M代君からアドバイスをもらってうまく乗り越えられましたが、右岸ベタにどんどん寄せられる。気が付けば昨日と同じラインです。そのおかげで逆に動きが読めたので、身体が動きました。岩に押し付けられるのをリーンで堪えましたが、態勢を立て直す前にラストのメインドロップへ。やや横向きで入ってしまい、絶望的かと思われましたが、ここも奇跡的に耐えました。

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 M代君はここでも撃沈。本日これで3沈めです。沈して泳ぐって特殊なことというイメージがありましたが、ここ下ってるともう、見慣れてしまって違和感がなくなってしまいました。ちなみにここはアズマックスが一番きれいなラインで下りました。

 アズマックスには、この調子やったらこの先も行けるって! ともう一度誘いましたが、もう腕がパンパンで…とのこと。まあ、無理強いもよくないので、ここで別れることにしました。

 さて、いよいよ佳境です。
 曲戸の瀬。まずは奈落の手前へ向かおうとしましたが、瀬の入口のウェーブでバランス崩していきなりひっくり返りそうになりました。あっぶねー。こんな場所から流されたらもう、再起不能ですわ。
 奈落の手前、右岸で上陸。ここ、ここですわ。夢に見たのと同じ眺め。

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 ちょうどラフトが下るところで、その通過ラインをじっくり観察させたもらいました。最初の1艇は奈落直行。これは論外でしょう。次の2艇は、奈落の落ち口にできているピローウェーブに優しく当て、ピローを越えずに真横にスライドさせて例のスキマへと入っていきました。ボートの動きは非常に滑らかで、うまく流れに乗せているのが分かります。

 これか…! 僅かな光明が見えた気がしました。

 腹は括りました。しかし、不安が消えたわけではないので、先行はM代君にお願いしました。ラインイメージは先ほどのラフトのそれ。しかし、前回はスムーズに入れた奈落手前のドロップがなかなかの規模に成長しており、フリップのリスクが高そう。そこで、右岸ベタのガタガタのザラ瀬から進入することにしました。その後、右岸ベタから一気に奈落の左側まで回り込んでから、ラフトの通過ラインに重ねるというイメージ。

 M代君も同じルート狙いでしたが、今一歩届かずに奈落から落ちてしまいました。バウが跳ね上がってます。が、見事にこらえました。無事漕ぎ抜けるのを確かめてから、フネに乗り込む。

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 ここまできたら、もうあれこれ悩んでもしょうがない。自分のイメージしたラインをなぞることに集中しよう。右岸ベタのザラ瀬を突破。ここから一気に奈落の左側のカレントに移動するわけですが、先のM代君の同じ轍を踏まぬようバウを上流に向けてフェリーグライド。余裕を持って、目的のラインに到達。あとは、奈落左端のピローに逆らわず、スキマへと進入。自分でも驚くばかりに完璧でした。前回もそんなこと考えていて結果は轟沈だったんですがね。そこから、できるだけまっすぐ下流に向かう。

 運命のダイブは…、成功でした。すぐ左横には、突き出した流れが三角形の壁を作り、激しい瀑音を立てて打ちつけていました。奈落の底では、ない。

キタ━━━━━━━━━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━━━━━━━━━!!!!!!

 やりました。思わず、雄叫び。
 30歳過ぎたおっさんが昂ぶる気持ちを抑え切れずに大声ではしゃぐ機会って、どれくらいあるんでしょう? ダウンリバーという趣味に出会えたことは本当に幸運だったと思います。15年以上も続けて、100本以上の川を漕いで、まだこんな感覚を味わうことができるんですから。

 鮎戸の瀬。最後の難関です。M代君は大の苦手だそう。どれくらい苦手かというと通算70戦20勝くらいと圧倒的に負け越してる数字が証明しています。てかアナタ、70回も小歩危下ってんの? 私、渇水時含めてダッキーでここ下るの今日でまだ5回目なんですけど…。

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 ここはもう、チキンルートでいくと決めていました。学生時代からその存在を認知しつつ、なんというか雰囲気的に使えなかったルート。今日はその封印をついに解きます。

 「そんなとこありましたっけ? どこのルートです?」

 通算70戦の猛者でも知らないルート。まあ、下り方が異なるとこんなもんです。

 「ほら、これこれ。こっからやったら楽勝やで」

 「いやいや、それはないやろ〜」

 ここまで来といて、何しに来たんと言わんばかりです。

 「ええやん。何だかんだで今まで使ったことないし、一回下ってみたかってん」

 こうして冷たい視線を振り切るようにしてチキンルートを下りました。おかげで前半部は楽勝。後半部はメインルートに直行してしまいましたが、これは避け損ねたためで、本当は左岸側から回り込むつもりでした。後半部の回避ルートは今後の課題です。

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エディでM代君を待つ。勝率.285かあ…。それでも絶対にチキンルートは選ばない。鮎戸の瀬でこれが言えたらかっこういいなあ。でも、やっぱりってな感じで流れてきました。
 後半部のビッグウェーブでサーフィンしてます。1,2,3…長い。もはや、捕まっているといったほうがいいかも…。大丈夫やろか? あっ、捕まりながら再乗艇しようとしてる! すげえ〜。結局、すべて流されてきましたが、相変わらずのノーダメージ。

 さて、ようやく終わりました。完漕まで、あとわずか。

 川口の駐車場が視界に入る。これこれ、これやわ〜。この瞬間が、たまらなく気持ちいい。解放感、達成感、爽快感、そして幾許かの寂寥感。これで、背中にラナもいたら、もう言うことなしなんですがね。

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 16時、上陸。終わったー!
 M代君は合計4沈。壮絶な泳ぎっぷりでしたが、何事もなかったかのようにケロリとしてます。なんつう親水性の高さ。私の知る限りでは、比肩するのはあの世界のモリ君くらいかな。

 小歩危組で記念撮影。

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 上流の大豊組も記念撮影。今日唯一ダブルヘッダになったアズマックス、お疲れ様でした。

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 【 四国遠征 総括 】

 豊永水位80cmオーバーで小歩危を下るのは、ダッキーでは初めての体験でした。先月より1ランク、パワーが増してまして、とくに初日は翻弄されました。M代君のパドルが水圧で折れてしまい、大滝で中断という結果になりましたが、あそこで終われてほっとしたというのが正直な感想です。
 二日目は逃げる気持ちをより強く持ち(笑)、うまく合わせられました。前日の悩み相談が功を奏し、曲戸クリア。何か見えた気がしましたが、気のせいかもしれません。鮎戸はついに禁じ手を使ってしまいましたが、プレッシャーが随分減って、曲戸の瀬に注力できるようになりました。
 また、昨年同様にKYOKOさんの家にお邪魔し、夜の部もとても楽しいものとなりました。二年連続で即寝してしまったのが心残りですが。
 今年の夏休み四国遠征は、1泊2日という例年にない、それはもう短い短い期間でしたが、そこはやはり小歩危。満足感は最高でした。たぶん、今年一番ちゃいますかね。インパクトでは宮川のほうが大きかったけど、楽しい<怖い やったし。
 ここも相当怖いけど、そこは幾度流されてもまったく折れないM代君の存在が大きかった。ありがとうございました。
 最後にうちの奥様、毎度わがままを聞いていただいてありがとうございます。おかげさまで小歩危という最高の川を存分に楽しませていただきました。できれば、また、行きたいので、そこを何とか、よろしくお願いします…。(。-人-。)




ニックネーム ラナ父 at 00:38| Comment(4) | 四国>吉野川(大歩危・小歩危) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント

こんにちは

充実の夏休みを過ごされたのですね!
川のレポートはいよいよ間近に迫った吉野川だったので、ドキドキしながら‥そしてメモも取りながら見せていただきました。
またいつもご兄弟の成長ぶりを拝見させていただいて、とても嬉しく思っています。

私は夏休み前半に南信州‥天竜川、和知野川、遠山川に行ってきました。
遠山川は茶色い濁りが酷く、同行した友人のタンデムダッキーではあちこち座礁しそうな様子に諦めました。
連続的な夕立などで、春先から山女やそして鮎の放流も出来ないとかで地元の方々は頭を抱えていらっしゃいました。

和知野川も、よくカヤックが空を飛んでいるような‥とか水底に映るカヤックの影とか表現されるような、飛び切りの清流を期待して行ったのですが、残念‥御岳の方が綺麗かも?という状態でした。
それでもここはカヤックでしたので楽しめました。
私達が漕いだのは下流の3キロほどですが、アッパーはまた違うらしいですね。

初天竜川はダッキーで宮ヶ瀬から鷲流峡出口まで。
欲張り過ぎ?少々疲れました。
ラナ父さんのレポートにあったビールを売る舟を探したのですが出会えず残念!
すぐに出せるようポケットに小銭も用意していたのですが‥。
ウェーブは楽しかったですがベーダーもアピタも判らず、正直余り好きな川相ではなかったです。
帰路に「あ、こんな下流でも川下りやってるんだね」と話した地点で翌日、あの事故が起きてしまったことが印象的です。

夏休み最後は西湖でロール練習!
今だに上がりません(笑)

なんか地味〜な夏休みでした。

吉野川の日程が決まりました。
私達は9月20日からの3日間参加予定です。
今のところ大歩危チャレンジだけで精一杯?
小歩危に臨む心構えが出来ていません。

大歩危‥大きい瀬は4つでしたっけ?
とりあえず2勝2敗‥無事で生還が目標です。
今まで夢中で突っ走って来ましたが、何だか今になって「本当に私なんかが行っちゃっていいのかなぁ?」と弱気の虫が動きだしています。
‥でも、行きますが(笑)

またラナ父さんの過去の大歩危レポートを再再再?読させていただきます。
ぜひ4つの瀬攻略のアドバイスを下さい。
あのぅ‥勿論一番のチキンルートで御願いいたしますね(笑)

ではでは
Posted by 翼 at 2011年08月27日 13:41
翼さん、こんばんは。
南信行かれたんですね〜。遠山川、和知野川は私もぜひ行ってみたいのですが、ウリの清流が濁っていたとは至極残念ですね。

天竜川でビール売ってるフネって、去年下った天竜峡でしょうか? あれは、鵞流峡のさらに下流です。風光明媚な場所ですが、クラス5の瀞場なのでダッキーやと大変ですよ。
ベイダーは、台城橋の下流にありますが、川の流れが左右に分岐しているため、左岸ルートを通らなければ出会いません。アピタはその下流、万年橋の下にありますが、あの辺りは大水のたびに形状が変わるんで、今はどうでしょうね。
「地味」とおっしゃられますが、2日しか漕いでいない私からすれば、とっても充実されてると思います。

 さて、吉野川、いよいよあと一ヶ月を切ったんですね。桂川、諏訪峡で何度もトレーニングを重ねてきた翼さんたちなら、平水位の大歩危はもはや恐れるものではないと思いますよ。自信を持って「夢」の実現に向かって挑戦してください。主要な瀬のチキンルートは別途お知らせしますが、三段の瀬だけは真っ向勝負しか選択肢はありません。存分にドキドキして、そして乗り越えてくださいね。

Posted by ラナ父 at 2011年08月29日 19:53
超おひさしぶりです!

自分もいずれ挑戦したいと思ってる小歩危ですがラナ父さんの下ってた次の日にラフティングしてました!

そして今年も小歩危はラフティングだけで終わりそうです、ダッキーで行く勇気はまだ出てきませんでしたw
いつも同じラフティング会社を利用してるので名前と顔も覚えてもらい、今度ダッキーでおいでよ、と言ってもらえる様にはなったんですが・・・

長良川を安定して下れるようになってからにします

お子さん大きくなりましたね!公私共にがんばってください!
Posted by 一見さん at 2011年09月24日 13:05
お久しぶりです。
あん時は迫力ありましたね〜。私も翻弄されまくりでした。しかしながら、あの水量は夏季限定でして、秋以降はダム放流が減るためにがくんと水量下がります。いずれダッキーで挑戦されたいと考えてはるのなら、まずはこのオフシーズンに狙ってみるのも一つではないかと思います(30トンくらいまで下がります)。
長良川→大歩危とステップ踏んでいければ、全然不可能な挑戦ではないですよ。がんばってください!
Posted by ラナ父 at 2011年09月25日 17:13